2012. 4.20  在宅医療

昨日の本業終了後は、訪問診療を主軸として診療されている先生方との意見交換会。

複数の訪問チームで、在宅、施設と、幅広く通院困難な患者様のサポートをされているそうです。

 

現状ウチでは、歯科医師会からの要請で訪問診療へ行く体制にはありますが、ここ何年かは訪問診療を行っていません。

開業後、外来への通院が困難な状況になった患者様も徐々に増え、ご家族の方からも訪問診療の相談が増えており、今後ますますの高齢化社会を迎える中で、在宅医療における口腔ケアは、歯科全体としても重要な課題であると再認識しています。

 

ところで、在宅医療連携では、まだまだ歯科医院からの診療情報提供が不十分との意見も多数あり、歯科医師自身が多くの情報を医師やケアマネージャーらが求めている現状を理解しなければなりません。

とは言うものの、じゃあ、医師やケアマネージャーらがどこまで歯科医療を理解しているのかと言えば、たぶんほとんど素人の域を出ないワケで、だからこそ連携が非常に必要なになるワケです。

しかしながら、これはお互い様なところ。

「寝たきりや要介護レベル高位の方で、しかもそこに認知症が入ると、出来れば歯は無い状況で総入れ歯であってくれた方が、口腔ケアに関わる様々な事例に対応できる、、、」

可能な限り歯を保存しようと考えているウチらからしてみれば、耳を疑うような話ですが、向こうにしてみればそれが普通、、、 ウチらが理解し難い在宅医療の現実なのです。

治療もままならない残存歯は、口腔内で凶器と成りうる可能性もあるワケで、そんな歯を沢山抱えて辛い思いをするよりは、いっそのコト全麻下で抜歯して、長期のケアに耐えられる口腔内を、、、と希望するワケです。

 

インプラントにしてもしかり。

様々な事由で寝たきりや要介護レベル高位になった場合、インプラント自体が介護の現場で足かせとなることも承知しておかなければならない。

様々なインプラントシステムがある中で、その知識のない先生では対応も難しいし、ましてや、医療連携が取れないような状況が続けば、悲惨な状況は明らかです。

 

一筋縄ではいかない事も多い中で、更には、可能な限り歯を保存したいという正義が通じないかも知れない世界に、今後どのような形でアプローチしていけばよいのか、、、

寝たきり要介護レベル高位の方のQOLってなんだろうか、、、

色んな事を考えさせられた夜でした。

 

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