2012. 5.17  在宅医療研修会

夕方から診療室を山本先生と夏目先生にお任せし、フクダは先週に引き続き、大学で在宅療養の研修会に出席。

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今日も約3時間近く みっちり勉強しまして、最後に認定証も頂きました。

 

ところで、先月も訪問診療を主軸として診療されている先生方と意見交換を行ったり、2週に渡り今日も在宅療養の研修会に参加したりと、ナゼ?いま改めて、在宅診療について勉強しているのか、、、

それは、開業後、外来への通院が困難な状況となった患者様も徐々に増え、ご家族の方からも訪問診療の相談が増えてきており、今後ますますの高齢化社会を迎える中で、在宅医療における口腔ケアは、自院だけの問題ではなく、歯科全体としても重要な課題であると再認識しているためです。

 

さて、勤務医の頃にも開業後も、訪問診療の経験は多少なりともありますが、歯医者になってからこれまで、一般歯科を基軸としてやってきました。

その間、インプラント治療など色々勉強してきましたが、位置づけとしては一つの治療のオプションが増えたというだけのコトで、基本的に他の分野へ本格的に足を踏み入れようかというのは初めてに近いかもしれません。

それ故、戸惑いも多く、実のところ在宅医療の現場の実状をはじめて知った話もありました。

 

研修会などを聴講して思うところ、診療室での歯科治療と違って在宅医療では、医師をはじめ、ケアマネージャー、栄養士などといった他業種との連携支援が特に重要だということ。

これは、在宅医療に限らない事でもありますが、各々が対等な立場で協働していくために、その基盤となる高い専門性が必要になります。

 

高齢者の心身の特性、すなわち、身体的変化(運動機能の低下)・心理的変化(認知症など)の進行に伴い、患者様自身の口腔内管理が困難となった場合、家族などの介護者による管理や歯科医療従事者による専門的な管理の必要性。

高齢者の多くは、高血圧や糖尿病などの様々な疾患を抱えており、訪問診療時、偶然にこれらの疾患が増悪する可能性もあるため、そう言った場面で起こりうる患者様の状態変化や緊急時の対応法。

在宅歯科診療における口腔機能の向上及び管理とした、摂食・嚥下リハビリテーション。

また、歯科医師が地域医療の一員としてその役割を果たすためには、医療保険制度とともに介護保険制度についても知る必要があるでしょうし、更には、専門的知識だけでなく、他業種における知識までも必要になってくるでしょうから、知らなければならない知識やスキルは数倍、、、いや、数十倍に跳ね上がります。

 

高齢者の心身機能にあわせた「口腔を管理する」意味での在宅歯科診療のあり方は、今まで行ってきた診療である「可能な限り1本でも歯を保存したいという正義」が通じないかも知れない世界です。

通常なら保存可能な歯牙でも、患者様が治療もままならないような状態で、辛い思いをするのなら、いっそのコト抜歯してあげた方が長期のケアに耐えられる口腔内を実現できるコトもあるのです。

 

嗚呼 つくづく医療って難しいな、、、と思う次第であります。

 

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