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歯周病と全身疾患

2010年7月2日 金曜日

最近の研究では、歯周病が全身疾患と非常に関係があることが分かってきました。

歯周病を引き起こす細菌によって、肺炎や心内膜炎など、妊産婦では早産、低体重児の危険性があります。

また、糖尿病との関係が非常に深く、糖尿病の人の多くに重度の歯周病が多く、歯周病は「糖尿病の第6の合併症」とも言われています。

 

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【歯周病と心疾患】

心疾患は、日本における3大死亡原因の1つに挙げられていますが、歯周病菌は血流に乗って心臓に感染し、心臓の弁膜や内膜に発症する「細菌性心内膜炎」を引き起こす原因になります。

また、動脈硬化を進行させる可能性も指摘されています。

 

【歯周病と糖尿病】

先にも述べましたが、歯周病は「糖尿病の第6の合併症」とも言われています。

血糖値の高い状態が長く続くと、歯周組織に炎症を起こしやすく、歯周病の進行を早めることが知られています。

また、糖尿病の方は、そうでない方よりも細菌感染しやすく、創傷治癒が遅くなることもよく知られています。

 

【歯周病と誤嚥性肺炎】

食道を通らず、誤って軌道に入ってしまい、歯周病菌が肺や気管支に感染して発症します。

特に嚥下反射の弱くなった高齢者に多くみられます。

口腔内の衛生状態と肺炎には相関性があると言われており、口腔内を清潔に保つことがリスクの軽減に繋がります。

 

【歯周病と早産・低出生体重児】

妊娠37週未満の出産を早産、体重が2,500g未満の新生児を低出生体重児と定義されています。

母親が進行した歯周病に罹っている場合、毒素や炎症性物質が血中に移行し、胎盤を刺激すると胎児の成長に影響を与えたり、子宮の収縮を促すなどによって早産のリスクが高くなります。

また、低体重児出産は7倍以上にもなるとも言われています。

 

このように、歯周病は、様々な全身疾患に影響を与える危険因子となります。

歯周病は、初期の段階ではほとんど自覚症状がないため、最低でも半年に1度は定期健診を受けるようにしましょう。

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